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香川真司
香川 真司は、兵庫県神戸市出身のプロサッカー選手。ブンデスリーガ・ボルシア・ドルトムント所属。日本代表。ポジションはミッドフィールダー、フォワード。
自分がチームの中心に――そんな強い決意を持って、香川真司は新シーズンを迎えた。
「ピッチに入ったら自分が中心にならないといけないし、それを意識してやらないと。チームに合わせていたら、また中途半端な結果に終わると思っているので。それは自分が経験したものですから」
トーマス・トゥヘル前監督の下でプレーした2シーズンは、香川にとって自らの活きる道を模索した日々だった。 ピエールエメリック・オバメヤン、 マルコ・ ロイス、 ヘンリク・ムヒタリアン。2シーズン目はムヒタリアンに代わってウスマン・デンベレ。チームの武器は圧倒的なスピードを持ったアタッカー陣だった。トゥヘル政権下のドルトムントはボールを保持する試合が多かったものの、結局のところ試合を決めるのは彼らのスピードを活かした速攻ということも少なくなかった。
「その中でどう生きるのかを日々、感じていかないといけない」。チームの武器は前線のタレントを活かした速い攻撃にある。そんなチームで香川に求められたのは、攻撃で違いを生み出すことだが、「そこを意識しすぎている部分はあるし、ちょっとボールを受ける前や後にどうしても迷いがある」。チームの武器を強く意識してしまい、自分のプレーを見失ってしまうこともあった。
ドルトムントのようなビッグクラブになれば、それぞれの選手が特徴を持っていて、それを発揮している。チームに合わせ、得意でないプレーで勝負しても争いには勝てない。香川は意識を改めた。
「僕はデンベレではないし、自分には違う良さがあるので。みんなが特徴を示しているように、僕も『自分は自分』というのを示していかないといけない」。スピードを武器とする選手がスピードで勝負しているように、自分も自分のプレーを示していかなければならない。香川のそれは、狭いエリアでボールを受けるテクニックと、そこからの打開力だった。そして彼は、実際に素晴らしいパフォーマンスを発揮してみせた。
ただ、トゥヘル前監督があくまでも速い攻撃を重宝したため、香川が絶対的な存在になることはなかった。「オバメヤン、ロイス、デンベレの3人はやっぱり、このチームの一番の強みなんでね、そういう意味では現状を受け入れているというか……。でも受け入れている自分がダメなのかなとも思いながら……」。昨季終盤、香川は複雑な心境を吐露した。
それでも香川は折れなかった。
現状を受け入れなければならない
「現状を受け入れないといけないところもありますが、こればかりは受け入れ続けてはいけないと思っています。この状況を覆すには、強い意志と信念が必要になってくる」
監督が代わるか、監督の考えが変わらない限り、香川の立ち位置が変わることはなかっただろう。来夏で契約が切れる状況だったこともあり、移籍の可能性も十分にあった。しかし、シーズンオフにピーター・ボス新監督が就任したことで状況は大きく変わった。
ポジション争いは白紙になり、チームは新たに生まれ変わる。香川はドルトムントとの契約を2020年まで更新し、ロシアワールドカップに向けた重要な1年をドルトムントで過ごすことに決めた。
「もうこのチームで長いですし、ピッチに入ったら自分自身がやるという気持ちがなきゃいけない歳なので」
ドルトムント在籍も通算6シーズン目となり、28歳になった香川には自分をチームでどう活かすかというだけではなく「自分がチームの中心に」という決意がある。”チームの中でどう活きるか?”から、”チームをどう活かすか?”への意識改革。この強烈な意識がどんな変化と成長をもたらすのか。今シーズンの香川に注目したい。
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