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ハイパーノマドとは?
今までの起業家はまず日本で成功することを目指した。日本で成功させてから日本以外の国に進出する。しかし現在は日本で成功してから次に展開というよりもあるビジネスにとってもっと良い場所に自分の身を異動して、そこでビジネスを起こす。より良いビジネス環境と、より成功する市場を求めて彼らは世界をフラットに移動していく。
仕事を取り巻く状況は今後急変する
日本は少子化が続き、2030年には人口が1200万人程減ると言われている。なかでも重要なのが、「生産年齢人口」の人口比率だ。
労働人口の低下を防ぐ為に、今後は外国人労働者受け入れが進んでいくと思われる。
目的は戦後日本の土台となった「コンクリ経済」ともいうべき体制を維持するための現場労働力の獲得である。すぐには受け入れることはなにだろうが、驚くほど安い人件費(ミャンマーやバングラディシュの人件費は日本の100分の1程度)は、利益の最大化を図る経済理論から是認されていくと思われる。
混迷の時代にサバイブできる仕事のスタイルとは?
機械がどんどんホワイトカラーの仕事を奪っていく時代2つ以上の仕事に取り組むほかない。
プロフェッショナルを連鎖させなくてはならない。2つ以上の仕事をこなしていくことで、相乗効果を生み出すこともできる。
作家+料理人なら職に関する作品をつくれるだろうし、営業職+農家なら、いままでと違う新たな取引先の開拓や販売方法の発見できるかもしれない。こうした能力は競合や変わりのない個性となり、優れた価値を生み出す可能性がある。
ハイパーノマドと下層ノマドを分けるもの
ノマドと一言で言っても、さまざまだ。アタリは、ノマドには3種類あると指摘する。まずは、世界を股にかけて活躍する、クリエイティブな能力を持ったハイパーノマド。彼らはその能力を買われて、国境を越えて移動し、成功を収める。
対極にあるのが下層ノマド。こちらは、国内では仕事が見つからず、生きるために移動を強いられる層。今でもすでに、多くの海外地域において、日本から社員を派遣、駐在させるのではなく、日本人の現地採用が行われている。
そうした現地採用の社員に対しては、現地の生活水準に合わせた給与しか支払われない。こうした下層ノマドも、今後、増えていくだろう。いや、数年後、これを読んでいるあなたがそうなるかもしれない。
望むと望まざるにかかわらず、誰もがノマドになる時代
経済学者のジャック・アタリは、将来、誰もがノマドになると書いた。ノマド論が注目されたのは、このアタリの指摘からだろう。国家のプレゼンスが低下していく中で、人々は簡単に国境を越えて移動し始める。海外移住や国際結婚も当たり前になった。
この流れを受けて、企業もまた、ノマド化していく。具体的には、本社が海外移転したり、人材が国境を越えて移動したりしていく。どの国の企業なのかわからなくなっていくのだ。
たとえば大石哲之氏は『ノマド化する時代』において、アクセンチュアが本社をアメリカからバミューダ、そしてアイルランドへ、まさに世界を遊牧するように移転させたことを例に挙げている。
大石氏の考察は鋭く、個人から組織まで、さまざまなレイヤーでノマド化が進んでいることを、豊富な取材も交えながら紹介している。ノマドを語るのであれば欠かせない好著である。
ここに最近の事例を加えるとすれば、先日、ユニクロを展開するファーストリテイリングが行った世界同一賃金を導入するという発表もまた、企業のノマド化現象のひとつであろう。社内ではもはや国境は存在せず、国を超えて共通のルールや賃金体系が適用されるのである。
こうした中、望むと望まないとに関わらず、誰もがノマドにならざるをえない。この意味で、アンチノマド派もノマド肯定派も、事態を見誤っている。「ノマドを勧めるな」とか「いやいや、選択肢のひとつだ」といった、ノマド以外に選択肢があるような言い方は見当違いだ。望むと望まざるにかかわらず、誰もがノマドになる時代が到来したのだ。
その中間とも言えるバーチャルノマドは、ハイパーノマドにあこがれながら、ノマドになれない定住民。インターネット上だけでも、ノマドな雰囲気を感じていたいという層だ。
この層もまた、下層ノマドと同様、海外の労働者との競争に巻き込まれる。彼らは下層ノマドになることを恐れながら、バーチャルなノマドの世界に浸っているのである。
事実、先に触れたファーストリテイリングの世界同一賃金など、正社員という立場を手に入れて安心していたら、一夜にして海外市場に投げ出されてしまう。まさに、下層ノマドの予備軍なのだ。
こうしてみれば、確かに「ノマドは厳しい」という指摘は当然だ。ノマドな働き方に夢ばかりを語るのもまた、問題が多い。しかし、「ノマド以外の選択肢がある」という前提を採ることは、不誠実だろう。将来、起こりうるこうした現実を見据えて、何をしていけばいいのか真剣に考える時期がきている。
下層ノマドではなく、ハイパーノマドになるためにはどうしたらいいのか。今、問われているのは、このことなのである。
ハイパーノマドになるための〈居場所づくり〉のスキル
ノマドな時代を謳歌するハイパーノマドと、それにあこがれるだけのバーチャルノマド、そして低賃金に甘んじるしかない下層ノマドには、どんな違いがあるのだろうか。英語をはじめとした言語スキルは前提として、どのような能力が必要とされるのだろうか。ハイパーノマドとして活躍するためにはどうすればいいのだろうか。
アタリは、ハイパーノマドの例として、エリートビジネスマン、学者、芸術家、芸能人、スポーツマンなどを挙げている。こうした人々は、確かに国境を超えて活躍する。
しかし、そうした世界は、いわゆるレッドオーシャンである。競争に勝ち抜いた一部のエリートだけが享受できる世界だ。そうでない人も、ハイパーノマドとして世界を股にかけて活躍できないのだろうか。いや、できるに違いない。
私自身、このことに気づいたきっかけは、東北での震災ボランティア活動だった。そこでは、エリート層によるハイパーノマド以外のノマドの活躍が目覚ましかった。アタリのいうような他人より優れたスキルをもっているわけではないが、確かに見知らぬ土地にノマドのようにやってきて、その土地に溶け込んで、目覚ましい活躍を見せていた。そこでは、また別のスキルが発揮されていたように思う。
これから、誰もがノマドになっていく時代になり、ノマドとして生きていくためのスキルが求められる。そしてそのスキルとは、決してエリートビジネスマンが持っているようなスキルだけではない。むしろそこで必要なのは、ノマドとしてたどり着いた場所が求めているものに、うまく自分を合致させていくスキルであり、また、場所が自分に合わせてもらえるよう求めていくスキルなのだ。
場の思想を研究する東京大学名誉教授の清水博先生は、それを「鍵と鍵穴の相互誘導合致」と呼んだ。鍵である自己と、鍵穴という場所を、相互に変化、誘導させながら合わせていく働きなのである。
この相互誘導合致の働きによって、どんな場所でも活躍できるようになる。いわば〈居場所づくり〉のスキルこそ、ノマドに求められているスキルなのである。
活躍の舞台を広げ、未来を拓く
私がノマドを肯定的にとらえるのは、ノマドが持つ舞台の大きさである。会社や、さらにその中の一部署という狭い舞台の中で振る舞っている人は、しょせんその範囲でしか居場所をつくることができなくなる。社内では偉そうな顔をしていても、一歩外に出て自分の価値も認められない世界に入ると、途端にその勢いを失ってしまう。
しかしノマドは、そうしたアウェーの環境にあってなお、自分らしい表現をする人たちなのである。彼らの目の前には、会社という境界、国境という境界を超えた広大な舞台が広がっているのだ。
下層ノマドとハイパーノマドを分ける最も大きな違いは、この舞台設定であり、その舞台設定を広げることで古い自分を脱ぎ捨て、新しい自分に生まれ変わることが重要なのだ。新著『10年後もワクワクできる20代の未来改造計画』では、そうした居場所づくりのできるハイパーノマドになるための方法を提示した。中でも重要なのが、舞台を広げていくという方法なのである。
ノマドとして居場所をつくりだせる確信があれば、たとえ会社が潰れても、まったく心配がない。会社という小さな舞台にとどまるのではなく、ノマドとなって、大きな舞台を感じながら活躍してほしい。アンチノマド派の言うことを真に受けて会社に閉じこもることより、よっぽどワクワクする未来が待っているはずだ。
この連載では、こうしたハイパーノマドになるためのスキルセットについて、考えていきたい。
水不足、食料不足は一層深刻になっていく
オーガニック、キロメートル・ゼロ、分子料理といった新しい職の転換点が生まれる一方で、大局的には水や食料の不足という事実から目をそらすわけにはいかない。
現在、約71億人と言われる世界人口は2030年には約83億人に増加し、食料需要は中産階級の伸びもあって35%も拡大すると言われている。
水不足も深刻だ。2030年に必要となる水は、現在安定してき供給できる量の1.4倍を上回る。水源に近い土地を購入、もしくはアクセス可能にしておくことも、これからのサバイバル時代に有効な手段の一つだ。
車の自動運転は現実化が見えてきている
都市計画で注目されているのが、「グロウスバウンダリー(Growth Boundary)」である。街として発展していくべき範囲をあらかじめ策定し、商圏や住宅地などを集中的に配置して効率の良い経済活動を目指すというものである。好例がアメリカのポートランドだろう。
市内には路面電車やバスなどの公共交通機関が完備されている一方、中心部への自家用車の通行やタクシーの乗り入れが制限されているため圧倒的に車が少なく、歩行者中心の構造となっている。
1990年代に比べ、中心部の人口は26%も増加した一方で、公共交通の利用は5~10倍となり、車の所有は半減してカーシェアリングが増えたという。米国の「自転車首都」と呼ばれるほどだ。
ハイパーノマドまとめ
後の高度経済成長期に、日本のほとんどの地域は「郊外」という烙印を押されてしまった。次々に延伸される高速道路や新幹線網によって都内からのアクセスは格段によくなってはいるが、
「都市からほどよく離れたベッドタウン」「生活するのに十分な施設や店舗がそろっている」という、地域の特性を全く無視した「郊外」のテンプレート化が進んだ結果、どのロードサイドにいっても同じようなチェーン店やショッピングモールが立ち並ぶようになってしまった。
土着の歴史や独自性といったものはほとんど無視され、また地域の共同性が失われてしまうことを、評論家の三浦展は「ファスト風土化」と皮肉交じりに呼称している。
自分もここでいう「ファスト郊外」出身のため、この流れは痛い程わかります。帰省する度に寂れていく地元をみるのは悲しいです。なにより、そんな街に住んでる人迄もなんかぱっとしないというか、
あきらめムードという口調が目立つことがとても残念です。同年代の人迄もそのようにいってしまうことはとても悲しいです。
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